肝炎・肝がんの漢方治療

はじめに:

現在日本では、1年間に約3万3千人の方が肝臓がんで亡くなっています。がん死亡の原因の中では、肺がんと胃がんによる死亡(それぞれ年間およそ5〜6万人程度)についで3番目に多いがんとなっています。

肝臓がんには、肺がんや胃がんなど他のがんと異なる特徴があります。それは、肝臓がんのほとんどはB型あるいはC型肝炎ウイルスの持続感染が原因となっていることです。肝炎ウイルスに感染していなければ、肝臓がんになる危険はほとんどありませんが、肝炎ウイルスに持続感染している人は肝臓がんが発生する危険が高くなるのです。

肝炎ウイルスの感染予防対策が徹底すれば、新たな感染者が減ってあと30年もすれば肝臓がんは稀ながんになるかもしれません。しかし、既に肝炎ウイルスに感染している人が日本だけでも200万人以上いて、そのような人にとっては、肝炎の進展を抑え肝がんの発生を防ぐ有効な治療法がすぐにでも必要とされています。

体から肝炎ウイルスを駆除してしまえば、肝がんになる危険性はなくなります。ウイルスを駆除できる治療薬としてインターフェロンがあります。感染して間もないときやウイルスの量が少ないときは、インターフェロンによって肝炎ウイルスを消滅させることができます。しかし、発見が遅れるほどインターフェロンの治療成績は悪くなり、肝炎患者さんの半数近くはインターフェロンの効果が期待できないのが現状です。インターフェロンや抗ウイルス剤などを組み合わせてウイルス駆除効果を高める新しい治療法が開発されていますが、これらの治療法で効果がなかった場合には、肝硬変肝臓がんに進展する心配が一生つきまとうことになります。

インターフェロンが効かない場合には、肝炎から肝硬変肝臓がんになるのを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか? いろいろな方法が試みられており、その中には遺伝子治療もあれば民間療法もあります。その一つの方法として漢方治療も有効です。漢方治療が肝炎の進展予防や肝がんの発生予防に有効であることが多くの研究で明らかになりつつあります。ウイルス駆除だけを治療戦略としてきた米国でも、その限界が明らかになるにつれ、薬草などの伝統医療を使った治療法に注目するようになりました。 

1.肝炎・肝臓がん治療になぜ漢方か?

【肝臓がんは切っても再発する】
【肝臓がんは肝硬変を合併していることが多い】
【肝臓がんは多中心性発がん】
【がんは遺伝子の異常によって起こる】
【細胞増殖と細胞死のメカニズムを利用すればがんを抑えられる】
【漢方薬は複数のメカニズムでがん予防効果を示す】
【がん予防には天然物が良い】
【去邪扶正ががん予防の基本】
【漢方治療はオーダーメイドでホリスティック(全人的)な肝炎治療ができる】

2.ウイルス性肝炎とは

【肝臓はからだの化学工場】
【肝臓は沈黙の臓器】
【ウイルス性肝炎は肝炎ウイルスが感染して発病する】
【肝臓の炎症ががんの原因となる】
【ウイルス性肝炎治療の戦略とはウイルスの排除と病気の進行を抑えること】
【西洋医学の肝がん治療はモグラたたき的発想が主】

3.漢方薬による肝炎と肝臓がんの治療戦略

【肝がん予防の戦略とは】
【複数の生薬の総合作用で肝炎を治療し癌を予防する】
【症状や体質によって使い分ける】

4.肝臓機能を改善し発癌を予防する高麗人参と田七人参

【高麗人参は万能薬】
【高麗人参には自然治癒力を高める多くの薬効成分が含まれている】
【高麗人参にはガンの予防や治療に効果がある】
【高麗人参の利用の仕方】
【高麗人参は炎症を増悪させる可能性もある】
【田七人参は肝臓の血流を改善して肝機能を高める】

5.駆オ血薬は肝臓機能を良くする

【血液は流れることが大切】
【オ血の概念と症状】 
【駆オ血薬は体質と症状によって使い分ける】

6.肝炎や肝癌の治療に有効なその他の方法

【ウコンに含まれるクルクミンは抗酸化作用と抗炎症作用によってガンを予防する】
【中国の民間薬の白花蛇舌草と半枝蓮はガンの治療や再発予防に使われている】
【抗TNF-α治療】

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