保健薬的に服用していてガンを予防する効果のある漢方薬はありませんか?
ガンの予防は食生活と生活習慣(禁煙など)の注意が最も基本であり、それに加えて体の抗酸化力・免疫力・抵抗力を高める健康食品(機能性食品)を上手に利用することは有用です。漢方薬は、体の治癒力や抵抗力の低下を引き起こしている状態があればそれを改善するために服用することが基本です。そのような用いかたをして体を健康な状態に維持すればガン予防につながります。したがってガンを予防できる漢方薬はその人の「未病」を治す薬であり、ガン予防効果のある漢方薬は個人個人で異なる事になります。一般的に、補剤や駆オ血剤はガン予防効果が期待できます。
【ガン再発を防ぐ体質の改善】
ガン治療後には再発を予防することが主な目標になります。この際、「全身に散らばっているかもしれない目にみえないガン細胞を、抗ガン剤を用いて徹底的に除去しよう」という考えと、「多少ガン細胞が体の中に残っていても、免疫力や治癒力をしっかり保ってガンの増殖を抑えよう」という真っ向から相反する考え方があります。漢方では後者の考え方を取ります。
免疫能や生体防御能の低下は、ガンの発生や再発のリスクを高めます。このような状態はガン体質ともいえます。発ガン予防(微小ガンの顕在化抑制)や再発予防の目的には、漢方薬単独で有効性が期待できますが、その根拠はこのガン体質を変えることが主目的であるからです。例えば、清熱剤や駆オ血剤は抗炎症作用やフリーラジカル消去・産生抑制により発ガン過程を抑制でき、補剤は免疫賦活作用によってガンの顕在化を抑制できると考えられます。実際に、薬用人参や十全大補湯などの生薬・漢方薬による発ガン抑制効果が、動物実験や疫学調査で明らかになっています。
【漢方薬は気・血・水の量と巡りを正常化させてガン体質を改善する】
漢方薬はいろいろな作用(薬能という)をもった生薬の組み合わせから成り立っています。その組み合わせを考える時の基本は、体の異常を起こしている気血水の状態を正常な方向に引き戻してやることです。気血水の量と循環が良くなれば、自然治癒力も活性化されてガンの再発を予防する効果が現れます
ガンになりやすい体質(ガン体質)の主要な原因は、組織の血液循環や新陳代謝が低下したり、体の免疫力や抗酸化力など自然治癒力や生体防御力が低下することです。漢方薬によって気血水の量と巡りを正常化させることは、消化管の働きや、組織の血液循環や新陳代謝を良好にすることであり、さらに免疫力や抗酸化力を増強するような天然の生薬の相乗作用によってガン体質を改善することができます。
体の自然治癒力を効果的に高めるためには、栄養の吸収や血液循環や新陳代謝など体の全ての機能が調和を持って働かさせるための理論が必要です。漢方治療は、この理論に従って全人的な視点で体の働きを良くし、自然治癒力を高める治療法です。リフレッシュ療法や健康食品も、この東洋医学の理論に沿って漢方治療や鍼灸治療と併用していけば、さらに効果が高まります。
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