大棗(タイソウ)Zizyphi Fructus
[基原]クロウメモドキ科(Rhamnaceae)のナツメ又はその他の近縁植物の果実
[主要成分]トリテルペン:oleanolic acid,betulinic acid , alphitolic acidおよびp-coumaric
acidのエステル類、ursolic acidなどサポニン:zizyphus saponinなど多糖類:zizyphusarabinanなどその他:malic
acid, tartaric acid,cyclic AMP,cyclic GMPなど
[薬理作用オリゴ糖、多糖類が整腸作用を示し、胃腸への各種刺激を緩和する。オリゴ糖、多糖類が整腸作用を示し、胃腸への各種刺激を緩和する。トリテルペン類のベツリン酸(betulinic
acid)やオレアノール酸(oleanolic acid)は発ガン抑制効果や抗腫瘍効果を持っている。
大棗にはナチュラルキラー細胞の活性を高める作用がある。
大棗の多糖類にはナチュラルキラー細胞の活性を高める作用がある。1)A polysaccharide fraction of Zizyphi fructus
in augmenting natural killer activity by oral administration.(Yamaoka Y,
Kawakita T, Kaneko M, Nomoto K.)Biol Pharm Bull 1996 Jul;19(7):936-939漢方薬の小柴胡湯を経口投与するとナチュラルキラー細胞の活性が高まることが報告されている。小柴胡湯は7種類の生薬から構成されるが、そのうち大棗(Zizyphi
Fructus)の酸性多糖分画が最も強い活性を示した。
ベツリン酸(betulinic acid)には抗腫瘍効果がある。
2)Betulinic acid: a new chemotherapeutic agent in the treatment of
neuroectodermal tumors.(Fulda S, Jeremias I, Pietsch T, Debatin KM.)Klin Padiatr
1999 Jul;211(4):319-322
小児の固形腫瘍として頻度が高い neuroblastoma, medulloblastoma, glioblastoma,
Ewing肉腫などの腫瘍に対してベツリン酸(betulinic acid)はアポトーシスによる細胞死を誘導し、抗腫瘍効果を示した。
ベツリン酸(betulinic acid)が神経芽細胞腫(neuroblastoma)、メラノーマ、ユーイング肉腫などneuroectodermal
tumorsに有効という報告はその他にも多くある。
|