ガンの専門医は、「医学的に有効性が証明されていない民間薬、民間療法に手を出さないこと」と指導するのが通常です。ただし、「医学的に証明されていない」という中には、「本当に効かない」という場合と、効果はあるが「科学的に証明できない」「そのための研究が行われていない」場合があります。
漢方治療はその人の病状や体力や体質に合わせて薬を使い分ける点に、西洋薬で得られない治療効果の秘密があります。科学的に効果を証明するためには、同じ病気に同じ薬を投与して効き目を確認しなければなりません。患者の体質や体力が違っても再現性よく効き目が認められる強い薬が、西洋医学では良い薬になります。しかし漢方では、効き目がマイルドで、体の治癒力を引き出して効くような薬が最も格の高い薬となっています。
体に合わないと効果は現れにくいので、一律に投与しても、効く人もいれば効かない人もいるのは漢方薬では当然のことなのです。したがって、西洋医学の手法で効き目を証明することは漢方の場合なじまないという事情があり、そのような研究が行われていないということになるのです。
しかし、患者個人個人で見てみると、漢方薬は必ず効果があります。長い歴史のなかでの臨床経験から、「漢方は医学的に有効性が証明されている」治療法なのです。ガン専門医の中に漢方治療の知識がないというのが問題です。ガンの治療に漢方薬を併用すればより良いガン治療ができることは誰の目にも明らかだと思うのですが・・・。